月見

「いやあ儀式以外で酒呑むのひさしぶりだわ〜」
「…とんだ醜態ですね姉神命」
「まあまあ、無礼講ってことで」
「客が言う科白ですか」
「申し訳ございません月読さま。御神はあなたに会うのが嬉しいのです」
「こっちはそれのせいで迷惑ですが。こんなのにつき合わされる八咫の長も大変ですね」
「ええまったく」
「お〜、やってるなあ月の旦那。芒を持ってきたがどうだい」
「せめて玄関から入ってきてください。掃除が大変だ」
「掃除するのは私たち兎でございますがね」
「貴方は愚痴を言いに?」
「いえ、酒の追加と、あと兄君と弟君がお見えになられていますが…」
「なんとしてでもお引取り願いなさい」
「畏まりました」

十五夜のtop絵。
縁側なのに地面が見えないのは地上何十メートルだからです。